サラブレッドの育成地として知られる日高地方、新冠町(にいかっぷちょう)。雄大な日高山脈に囲まれ、南部には太平洋を望む自然豊かな地域です。そんな新冠町の山中に車を走らせると、古いサイロと共に一軒の古民家カフェがそっと姿を現します。自然と一体化したような空間は非日常的で、まるで別世界のよう。今回は、カフェ「農暮舎」(のうぼしゃ)にお邪魔し、酵素玄米定食とグルテンフリーデザートをいただいてきました。
農暮舎のある新冠町はココ!
農暮舎さんのある新冠町は、札幌市から車で最速で約2時間の距離にあります。(高速道路使用の場合)
また、JR苫小牧または鵡川駅から新冠駅まで運行している道南バスも利用可能です。ただし、新冠駅から店舗まで公共交通機関はないので、車を利用しましょう。(約30分)
日高地方は、ゆく先々に育成馬の牧場があり、ドライブ中の目を楽しませてくれます。
至近距離でお馬さんの親子の写真をカメラに収められました^^
ひたすら山道を走り、レトロなサイロが見えてきたら到着です。
ちなみに…
北海道外の方に「サイロ」という言葉は、あまりなじみがないかもしれません。
サイロとは、牧草や家畜の飼料の貯蔵庫のことをいいます。上の写真のような円筒形のサイロは昔ながらのものだそうです。今でも、北海道ではこのような古いサイロが残っている場所があり、なんとも牧歌的でノスタルジックな気分にさせてくれます。
農暮舎はこうして生まれた〜story〜
カフェ農暮舎(のうぼしゃ)は2024年1月11日、新冠町明和にOPEN。
昭和20年代に建てられた古民家を、店主の櫻井さんが約3年にわたりコツコツとセルフリノベーションし、カフェとして新たなスタートを切りました。
もともと愛知県出身の櫻井さんが、北海道に移住されたのは2000年のこと。
畑で作物を育て、動物たちと共に暮らしながらカフェを営める場所を探し、最終的に辿り着いたのがこの新冠町だったのだそうです。
この地に居を構えた2012年当時は、前居住者の離農跡地がそのまま残っていたようで、住まいを整えるのに相当なご苦労があったことは想像に難くありません。
さまざまな人の協力を得ながらも、できることはすべてご自身で作業されてきたという櫻井さん。
その間、厳しい冬の寒さを何度乗り越えてきたことでしょう。
以下に記されたストーリーは、そのほんの一部だと思われますが、「農暮舎」への想いが感じられる素敵な言葉が詰まっています。
櫻井さんの趣味のバイクや、農暮舎セルフリノベーションの様子は以下YouTubeチャンネルよりご覧いただけます。
古い建物が少しずつ、少しずつ丁寧に生まれ変わっていく様子は圧巻…!
バイク旅の動画も実際に走っているような臨場感を味わえます。
これから北海道暮らしをしてみたいと思っている人には特におすすめです。
窓から眺める風景もまた絵になります。
四季折々の美しい景色と共にコーヒーをいただけるって、なんて贅沢なことでしょう。
訪れるタイミングによっては野鳥やリスに出会えるかもしれません。
冬は薪ストーブの炎で暖をとりながら、雪景色が眺められそうです。
ランチに酵素玄米ごはんセットをオーダー
木の温もりが感じる店内。
小窓から差し込む光がなんとも心地よい空間を創り出してくれています。
メニュー表です。
お食事は長岡式酵素玄米のごはんセット(1日5食限定・¥1000)と、スパイスカレー(¥1100)の2種類です。
長岡式酵素玄米とは、玄米・小豆・塩を圧力鍋で炊き、3~4日寝かせ発酵熟成させた玄米のことをいいます。酵素の働きにより柔らかくもちもちとした食感になるだけでなく、栄養価もアップし、消化にも良いとされる健康食です。
医師の長岡勝弥氏によって考案されたため、「長岡式」という名前が付けられました。
この日は4人での訪問だったため、あらかじめ酵素玄米ごはんセットを予約してありました。
酵素玄米に自家製味噌を使用したお味噌汁、漬物、煮卵、青菜の和え物、冷や奴、切干大根の煮物がセットになっています。
酵素玄米大好き。もちもちで、ほんのり甘くておいしいんですよね~
煮卵は、こちらの鶏さんたちが産んでくれた卵です。
しみじみ、ありがたみを感じながらいただきますᵕ̩̩ㅅᵕ̩̩
酵素玄米はそのままでも十分味わい深いのですが、ごま塩を入れると一層おいしくなります。
小さなすり鉢が可愛いですね^^
小鉢のおかずも、お味噌汁も、化学調味料不使用とのことですが、しっかり満足感のある味わい。
素材がおいしいと余計な調味料は必要ないことが良く分かります。
シンプルでありながら、これ以上ないくらい極上のランチでした。
グルテンフリーデザート&自家焙煎珈琲
農暮舎さんで提供されるお菓子類は、すべてグルテンフリーです。
基本的にお料理やお菓子は、スタッフのかなえさんと2人で分担されているとのこと。
クッキーや自家焙煎珈琲はテイクアウトもできます。
グルテンフリーにしている理由は、食べる人の健康を意識してのことなのだそう。
米粉を使用しているので、グルテンが身体に合わない人も、そうでない人も一緒に楽しむことができます。
お2人とも、健康に対する意識が高くて、うれしくなっちゃいました
まずは自家焙煎珈琲をオーダー。
米粉のスノーボールがついていました。うれしい♪
まろやかで甘さを感じるコーヒーです。角がなく、それでいてこっくりと深い味わい。
一緒に、グルテンフリーデザートもいただきましょう。
1つ目にオーダーしたのは、小麦、乳、卵不使用、ヴィーガン仕様の「米粉のガトーショコラ」(¥400)。
ふわっと膨らんだパウンドケーキスタイルで登場です。
生地には乳製品も卵も使用していないのに、生地はしっとり柔らかく、フォークを入れるとほろっと崩れます。
ほろ苦くて甘さ控えめ、上質な味わいのガトーショコラです。
このままでも十分おいしいですが、添えられている純生クリーム(ヴィーガンの方は除くこともできます)を少しつけていただくと、まるで生チョコのような滑らかな口当たりを楽しめます。
そしてもう1つ、ぜひ食べておきたかったのが、「農暮舎平飼い卵プリン」(¥400)。
※本来は純生クリームが乗ったスタイルです。今回はシェアの関係でわがままを言って除いていただきました
農暮舎の鶏さんが産んだ卵のプリンです!
プリン部分は卵、きび砂糖、牛乳だけで作られています。カラメルソース部分は、なんと砂糖を焦がして作る「カラメル」ではなく、コーヒー液から作られているのだそう。
これすごくいいアイデア!適度なほろ苦さがプリンの味を邪魔しません
プリン生地はしっかりかためのタイプで、卵のおいしさがギュッと濃縮されています。
濃厚なのに、決してくどくはなく、コーヒーソースとの相性抜群。
筆者のミスでキレイに写真を撮れなかったので^^;農暮舎さんのInstagramを引用させていただきますm(__)m
農暮舎さんのInstagramは、どの投稿も写真が素晴らしく、うっとりしてしまいます(*^^*)
ぜひフォローしてご覧くださいませ。
ごはんセット、デザート、コーヒー…
どのメニューをいただいても、とにかく丁寧に丁寧に作られていることがひしひしと伝わってきます。
秋深まりつつある日高の自然を身近に感じながら、心も身体もほっこり癒されるひとときでした。
農暮舎 基本情報
日高の山にある離農跡地をコツコツ、コツコツ作り上げ、遂に完成した「農暮舎」。
ここには、かつて先人たちにとって当たり前であったであろう、「自然と共に生きる暮らし」が息づいています。
居心地の良い空間、窓からの景色、おいしいごはん、優しい味のお菓子、香り高いコーヒー…
どの要素にも並々ならぬこだわりがあるはずなのに、それを決して前面に押し出すことがなく。
そこに店主のさりげない気遣いがプラスされることで、奇跡のような時間を過ごせているのかと思うと、なんだか胸が熱くなってしまいました。
日常の喧騒を離れ、ゆっくりと過ごしたくなったら、ぜひ「農暮舎」へ足を運んでみてはいかがでしょうか。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※当記事は2024.10月訪問時点の情報です。訪問の際は公式SNSで最新情報をご確認くださいませ。
店名 | 農暮舎 |
住所 | 北海道新冠郡新冠町明和31−4 地図を開く |
アクセス | ・札幌駅から車で高速道路使用で約2時間 ・鵡川駅から新冠駅まで道南バスで約1時間30分乗車後、店舗まで車で約30分 ・苫小牧駅から新冠駅まで道南バスで約2時間30分乗車後、店舗まで車で約30分 |
営業時間 | 11:00-17:00 ☆営業時間・休日については公式SNSごを随時ご確認ください |
定休日 | 火・水・木曜 不定休あり |
駐車場 | 4台 |
キャッシュレス決済 | 現金のみ |
席数 | 12席 |
お子様連れ | OK |
公式SNS | Instagram https://www.instagram.com/noubosha |
外部サイト(食べログ) | https://tabelog.com/hokkaido/A0108/A010804/1077769/ |
備考 | ・臨時休業、営業時間変更、メニュー変更などあるため、SNS要確認 ・予約はDMで |