外食、自炊問わず人気の高い麺類ですが、そのほとんどは小麦から作られているため、小麦を控えている人は断念せざるを得ません。しかし、そのような人でも自宅で気軽に楽しめる「グルテンフリー麺」が販売されているのをご存知でしょうか。今回は、市販のグルテンフリー麺を3点ピックアップしてご紹介すると共に、実際に筆者が調理してみた感想もお届けします。
グルテンフリー麺とは
グルテンとは小麦やその他麦類に含まれるたんぱく質で、パスタやうどんなどの「麺のコシ」には欠かせないとされる成分です。
グルテンフリー麺とは、そのグルテンを含まずに、つまり小麦以外の素材で作られた麺のことをいいます。
小麦麺と比較して、コシや食感が「全く同じ」とはいえませんが、さまざまな理由でグルテンを控えている人にとっては、メニューの幅が広がるとてもありがたい存在なのです。
もちろん、昔からある十割そばや、エスニック料理のフォーなども、グルテンフリー麺であることには間違いありません。
それに加え、現在はパスタやうどんなどにも応用できる、「小麦麺風」のグルテンフリー麺が各メーカーから続々と開発されています。
小麦の代わりに使用される原材料は、米粉や雑穀、豆類などが主流。
つなぎにデンプン等が使われているもの、使われてないもの、添加物入りのもの等さまざまありますので、購入する際は原材料を良く確認するようにしましょう。
①アルチェネロ有機グルテンフリースパゲッティー(トウモロコシ・米)
アルチェネロは、1978年からオーガニックに取り組んできたイタリアの生産者組合の名称です。
「大地は生きた肥沃な有機体であり、人為的に操作すべきありふれた基層ではない」という考え方に基づき、有機農法の先駆者として安心安全な食品を提供し続けてきました。
アルチェネロでは、有機デュラム小麦や有機古代小麦などの小麦系だけでなく、有機とうもろこしと有機米から作られた「有機グルテンフリーパスタ」も販売しています。
添加物も不使用とのことで、グルテンフリーを実践している人にはとてもありがたいと共に、老舗の有機食品メーカーというのも安心できるポイント。
グルテンフリーの飲食店でもこちらの麺を採用しているのをよく見かけます。
やや細麺(1.6mm)でゆで時間8~10分推奨。
8分でゆで上げ、ツナとトマトのソースで合えてみました。
ソースと合える時間を考えたら、8分でちょうどよい硬さだと思います。
本物のデュラム小麦の食感には届かないものの、パスタとして十分満足できる噛み応えでした。
ほんのりトウモロコシの香ばしい風味も感じられておいしいです。
さすが老舗のイタリアブランドだけあって、しっかり小麦の食感に近づけたパスタだなあ、という印象でした。
②ZENBヌードル(黄えんどう豆)
ZENBヌードルは、お酢で知られるミツカングループが立ち上げた新ブランド「ZENB JAPN」のグルテンフリー麺です。
糖質制限やダイエットなどによる主食制限においても、我慢することなく、日々の食生活を楽しめるようにとの想いから、「黄えんどう豆」を使った新しいタイプの主食を開発しました。
黄えんどう豆は日本では珍しいですが、海外では古くから食べられていたポピュラーな豆です。栄養豊富であることはもちろん、大豆より脂質が少なく、加工しても酸化しにくいなどのメリットが多いとして、注目され始めています。
ZENBから販売されている麺は、丸麺(パスタ)と細麺(そうめん)のほか、スープとセットになったラーメンもあります。
いずれも原材料は黄えんどう豆のみで、添加物不使用。黄えんどう豆には遺伝子組み換え品種も存在しないとのことです。
参考:ZENB 公式通販サイト
筆者は丸麺を試してみました。パスタでも焼きそばでもOKとのことから、今回は焼きそばで。
太さ約1.7mm、ゆで時間は7~8分です。
※パッケージの画像を撮り忘れたため、料理画像のみで申し訳ありません
結論から言って、焼きそば大正解!
焼きそば専用に売られている小麦麺よりも、ソースと馴染んで個人的にはおいしく感じました。
最初にご紹介したアルチェネロのパスタとはかなり食感が異なります。
前者よりも伸び・弾力が強めですが、いわゆる「アルデンテ」のような食感ではないので、どちらかというと焼きそばや、ナポリタンのような「ゆでてから炒める」調理法が合うと思いました。
ZENBヌードルはゆでたてだと独特の「ぬめり」があるので、ゆでてから一度水洗いして、それから炒めるのがおすすめです。
まだ試したことはありませんが、以下の「ZENBラーメン」も気になります。
③トップバリュ Vegetiveひよこ豆と玄米からつくったスパゲッティタイプ
イオングループのプライベートブランド、「TOPVALU(トップバリュ)」より2020年にスタートした「Vegetive(ベジティブ)」シリーズ。
毎日の健康や地球環境に配慮し、肉や乳製品などの動物性原料や、白米、小麦などを別の植物性素材に置き換え、さまざまな商品を開発しています。
原材料はひよこ豆粉、玄米粉、ばれいしょでん粉。いずれも原産国はイタリアというところに驚きました。
太さは1.8mmとご紹介した中では一番太麺。ゆで時間も約11分と長めです。
上記パッケージにも書いてありますが、総じてグルテンフリー麺は、ゆでたときにお湯がかなり濁ります。ゆでたてをそのまま使うとぬめりが出るので、ゆでたら水かお湯でさっと洗うと良いかなと思いました。
今回はホタテのソテーと、ヨモギのジェノベーゼ風ソースで。
クリーミーに見えるのは、ゴーダチーズをすりおろして入れたものです。
もう、見た目普通にパスタですよね!
麺の食感は、3種の中で一番小麦パスタに近いような感じがしました。
白米よりも、玄米のほうが小麦っぽく感じるのは、実は米粉パンでも感じていたことです。
あくまでも私感ですが、「もちもち感」が少ないほど、より小麦っぽくなるのかもしれません。
市販のグルテンフリー麺3種の感想まとめ
①のアルチェネロは米とトウモロコシ、②のZENBヌードルは黄えんどう豆、そして③のVegetiveひよこ豆と玄米。
偶然でしたが、それぞれ異なる原材料の麺を食べ比べすることができました。
あくまでも筆者の好みではありますが、感想をまとめますと、以下の通りです。
・パスタに合う→ アルチェネロ>Vegetive>ZENB
・焼きそばに合う→ ZENB>Vegetive>アルチェネロ
パスタに一番近いのはVegetiveと思ったのですが、アルチェネロのトウモロコシの食感が個人的には好きだったので、このような結果になりました。
ちなみに、家族はパスタにはVegetiveが好みだと言っておりましたので、そのあたりは人によって分かれそうです。
今後も新しいグルテンフリー麺を試したら感想をあげていきますので、購入の際には良かったら参考にしてみてくださいね。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。